現代の小学生にとって、ネットリテラシーは必須の能力です。
確かにデジタルネイティブである今の子ども達は、端末を自由自在に使えるでしょう。
しかしネットリテラシーが低ければ、無用なトラブルに巻き込まれかねません。
子どもを守るためにも、ネットリテラシーとその学び方を一緒に確認していきましょう。
ネットリテラシーの基本をおさらいしよう
リテラシーは、もともと「読解記述力」を指す言葉です。転じて現代では「ある分野の知識や能力を活用する力」という使われ方をしています。
つまり「ネットリテラシー」とは、インターネットの情報を正しく理解し、適切に判断・運用できる能力のこと。
子どもにも教えられるよう、ネットリテラシーの基本をチェックしていきましょう。
インターネットは正しい情報ばかりではない
インターネット上には、真偽の不確かな情報が溢れています。
目にした情報は、複数かつ信頼できる発信元から情報を得て真偽を判断することが大切。
嘘の情報をわざと拡散する愉快犯や、金銭を搾取しようとする詐欺師もたくさんいることを忘れてはいけません。
常に「情報発信者の狙いは何か」を冷静に考えるよう心がけましょう。
顔が見えなくても礼節をもって
インターネット上では相手の顔が見えないため、酷い言葉を平気で投げかけがち。
ときにはお互いに暴言が止まらなくなり、泥沼の応酬に発展することもあります。
顔が見えなくても相手はひとりの人間です。
面と向かって言えない言葉は、インターネット上でも言わないようにしましょう。
インターネットは匿名ではない
通信事業者には、ユーザーのインターネット上での行動記録が残されています。
SNSで誹謗中傷して起訴されたり、匿名掲示板で犯罪予告をして逮捕されたりするのはそのためです。
インターネットは決して匿名ではないということを肝に銘じましょう。
世界中の人に見られている
XやInstagramといったSNSは、その発言が全世界に公開されます。
投稿する前に一呼吸おいて、世界中の人に見られても良い情報か改めて確認しましょう。
また、気を付けたいのがSNSの鍵アカ(非公開アカウント)やLINEなど内輪話のように思える場です。
オープンでなくても、スクリーンショットを撮れば簡単に拡散できますよね。
インターネットに「友達限定」はないと考えておいたほうが安全です。
ネットに掲載された情報の回収は不可能
インターネットに載った発言や画像は、閲覧者が簡単にコピーできます。
例え自分が大元の情報を削除したとしても、無数にコピーされていると考えるべきです。
あとで慌てても一度出した情報は消し去れません。
発信は常に慎重におこないましょう。
肖像権や著作権に注意
人には勝手に撮影されない権利、撮影された写真を勝手に公開されない権利があります。
誰かの写真を撮ってそれをSNSに掲載するのであれば、「撮影」と「公表」の双方について相手の許可を取らなければなりません。
また、他人の著作物を許可なくブログやSNSに載せることも禁じられています。
創作性があればコンピュータプログラムも著作物に該当するので注意しましょう。
マルウェア感染は他人を巻き込むこともある
マルウェアの感染は、自分だけでなく他の人を巻き込んでしまうことがあります。
例えばパソコンを乗っ取られて、迷惑メールをばら撒くようなケースです。
しかし小学生がマルウェア感染の可能性があるかを判断するのは難しいこともあります。
アプリをダウンロードする際は公式サイトからにする、保護者にダウンロードしてもらうなどのルールを決めておくのがおすすめです。
子どもと一緒にネットリテラシーを学ぶ方法
最後に、小学生にもわかりやすいネットリテラシーの学習方法を2つ紹介します。
今はインターネット上でのコミュニケーションが当たり前の時代です。
子どもの安全を守るため、ネットリテラシー教育を積極的におこないましょう。
書籍から学ぶ
ネットリテラシーについて何度でも見返せるように、書籍を一冊用意しておくと安心です。
おすすめは「学校では教えてくれない大切なこと12 ネットのルール」。
インターネットでトラブルに巻き込まれないための知識を、漫画でわかりやすく学べます。
このシリーズは、他にも「お金のこと」「からだと心」「時間の使い方」など、小学生のうちに身につけたい知識が色々と学べるので興味のあるものをいくつか揃えると役立ちますよ。
サイトで学ぶ
Webサイトでネットリテラシーを学ぶ場合は、文部科学省の「情報モラル学習サイト」がおすすめ。
テーマごとに分かれており、学習時間はそれぞれ5分~10分程度です。
小学校1年生~が対象で、問題形式になっているのでぜひお子さんと挑戦してみてくださいね。
まとめ:ネットリテラシーを学んでインターネットを上手に活用しよう
インターネットは便利な反面、たくさんの危険が潜んでいます。
また悪気なく他人の権利を侵害したり、傷つけたりしてしまうこともあり得ます。
自分を守るためにも他人を傷つけないためにも、ネットリテラシーはしっかり身につけたいですね。
正しく使えばインターネットは便利で楽しく、子どもの可能性をも広げてくれるはずですよ。